昨夜見た、劇団四季「ウィキッド」。一晩明けて考えてみると、なかなか味わい深いミュージカルでした。
エンターテイメントとして、というのももちろんですが。風刺というか、なかなかぴりりとしていたな〜、と。
めぐみは全く初めてで、オズと同じ世界の物語といったことくらいしか知らなくて、はじめはストーリーが???でしたが、だんだん進むに従い繋がりました。
幕が上がって、まず目に入ったのは。悪い魔女が死んだことを喜ぶ人々。シャボン玉の乗り物に乗って現れる金髪のねーちゃんグリンダ。
いやもう、うさん臭さ満点で。おかしな空気がプンプン。
ディズニーの「美女と野獣」で、扇動され野獣を倒そうと立ち上がる民衆、みたいな雰囲気で。
こりゃ〜絶対、まともじゃない連中だなと。
悪い魔女ウィキッドは、ドロシーに倒されて死んだと発表するグリンダに質問を浴びせ掛ける人々。
グリンダと緑の肌の魔女ウィキッド(エルファバ)が友達同士だったと聞き、一瞬グリンダを遠巻きにする人々。
いやもう。気まぐれな大衆そのもの。けっですな。
大学でのグリンダとエルファバの出会いは、ブルネットの才女と金髪おバカ娘の出会いという王道中の王道。
すったもんだの末に、仲良いルームメイトになるわけですが。
エルファバを着飾らせようとして、「ポピュラー」を歌うなんて(笑)、グリンダあなたもかなり違った意味で突き抜けてるわ。とか思ったりもして。
学園モノにはお約束の恋の多角関係だのも。
感動的なのは、オズの魔法使いの弟子になるべくエルファバとグリンダが向かったエメラルドタウン、でしょう。
緑の町では、誰も自分をじろじろ見たりしないと感激するエルファバ。ちょっと切なくなります。
オズの魔法使いとの出会いと、突き付けられた現実にエルファバはオズの魔法使いに反対する道を、グリンダはオズの広告塔と道は離れて行く。
皆の人気、支持された方が勝ちだなんて言い世論を操作するオズの魔法使いは、どっかの政治家みたい、だし。
エルファバの妹で、足が不自由なネッサローズは姉離れできないくせに悪いことはすべてエルファバのせいにしてしまうわがまま娘で、やっぱり居そうなタイプで。
ボタンの掛け違え、といえば確かにそうだけど誰もが皆「こんなはずでは無かった!」を持っているのが、どうしようもなくリアルでした。
エルファバやグリンダばかりでなく、権力を極めまくるようなオズの魔法使いでさえ。権力の果てに掴んだのは、どうしようもない喪失感じゃ、虚しいですね。。。
これがアメリカ発で、大人気というのにはちょっとホッとしたりしないでもないです。自分の姿がちゃんと見えていなけりゃ、こんな作品は作れないでしょうからね。
何とも切なく、心が痛い舞台の中で少しほっと出来るのはフィエロの存在でしょかね。
悪い魔女呼ばわりされたエルファバと再会し、さっさと駆け落ちなんてなかなかやるのぉ。二人で逃げてく雰囲気は、オペラ座の怪人みたいでした。
posted by めぐみ at 22:44| 東京 ☀|
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