モイラ・シアラーが主役を演じ、レオニード・マシーンやロバート・ヘルプマンも出演している映画です。
劇中劇「赤い靴」のバレエはもちろん、バレエ・リュスを思わせるようなバレエ団がとても印象的。
バレエ芸術への狂気とも取れるようなバレエ団長(彼は自分にとってバレエは宗教だと言った。それこそが、まさにこの映画の根底に流れる芸術のための死を的確に表してる!)の姿勢など、見ごたえたっぷりでした。
劇中劇「赤い靴」は、アンデルセンの作品をもとにしたバレエで赤い靴に魅せられた少女が赤い靴を履いて踊りまくるお話。
少女が踊りを止めようとしても、靴が踊りを止めることを許さず海を越え山を越え夜昼構わず踊りつづけねばならず。最後に赤い靴を脱がせてもらったときに少女は死ぬのでした。
そして、その「赤い靴」という作品でプリマバレリーナとして歩みだしたモイラ・シアラーが演じるヴィッキーも、同じような運命をたどると。
ダンサーの舞台化粧や衣装など、随分古めかしくそれすらも古き良き時代のバレエを引き立てているように感じました。
特典としてついていたメイキングの話も興味深くて。
(プリマバレリーナをプリマドンナと呼んでるのは、げっ!でしたがね)
当初は、全く評価されず冷たい反応を受けたとか。それがアメリカで公開されて大ヒットしたそうです。
モイラ・シアラーというと、フォンティーンに次ぐくらいのバレエ団での位置にいたひとりでそれゆえに(当時、映画出演するようなバレリーナは二流と思われていてバレエ団のプリマのフォンティーン以外ということだったらしい!)のヴァロワ女史に映画出演するように言われたということは知っていました。
まぁ、事情はともかくモイラ・シアラーのバレエを堪能できるのでよしとしましょう。
ちなみに、振り付けはロバート・ヘルプマンだそうです。
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