マイナーな作品だけあって、ちょっと中途半端なところもありました。作曲者自体がぜんぜん乗り気じゃないけど(契約だから渋々)作曲したというものだそうで、聞かせどころはあるけどちと物足りないですね。
どうしてもバレエの「海賊」と比較してしまうめぐみが悪いんでしょうけど。
いかにもヴェルディさんらしく、低音歌手がかなり、ソプラノ&テノールの王道カップルを食ってしまっていました〜。
あらすじですが、海賊の頭領コンラッドは恋人のメドーラと暮らしているわけですが、トルコと戦うために船出することになりました。メドーラは恐ろしい予感にさいなまれます。コンラッドが戦死しもう帰って来ないのではないかと。
嘆く恋人を振り切るようにコンラッドは出航するのでした。
さて、コンラッドの敵トルコのセイド・パシャの後宮では愛妾ギュリナーラが嘆いています。セイドの一番のお気に入りで贅沢は思いのままの彼女ですが、彼女はセイドを憎んでいます。ギュリナーラは、自由になりたいのです。
セイドはトルコ兵を従えて、海賊たちとの戦いでの勝利を祈っています。アラーに。
そこへ、海賊に捕らえられていたという男がやってきました。男を尋問している間に、敵襲が!
男はスパイだったのでした。
不意打ちをされたトルコ軍は、たちまち劣勢に立たされます。炎の中で逃げ惑う女達。コンラッドは、女達を助けようとしますがそのせいでトルコ軍は形勢を立て直し海賊たちは総崩れ。
コンラッドは捕虜となります。
ギュリナーラは必死で命乞いをしますが、それがセイドの猜疑心に火をつけます。ギュリナーラは、自分を裏切ったのか?そうだ、彼女はあの海賊を愛している!
何とかコンラッドを逃がして自分も自由になりたいギュリナーラは、牢に忍び込みコンラッドを逃がそうとします。応じないコンラッド。
痺れを切らしたギュリナーラは、牢を出て行きます。どこへ?
しばらく後に茫然自失したギュリナーラが戻って来ました。眠っているセイドを刺殺したのです。
この期に及び、コンラッドはギュリナーラを連れて逃げることにしたのでした。
さて。
お家でコンラッドの帰りを待ってるメドーラは、海賊総崩れの報に自殺せんとしています。そこへコンラッドがギュリナーラを連れて帰って来ました。
事情を知りギュリナーラに感謝するメドーラ。でも、メドーラは毒を呑んでいたのです。瀕死のメドーラ。
メドーラが死ぬとコンラッドも、海に身を投げるのでした。
残されたギュリナーラは絶叫するのでした〜。
って、話。
ギュリナーラ役の人はソプラノと書いてありましたが、通常のヴェルディ・オペラじゃメゾがやるような役割ですかね〜。
セイド役のレナート・ブルソンは、見応え十分。お髭は自前ですね〜。
海賊というと、権力とは無関係の無頼漢のイメージでしたがこの作品を見てそうでもなさそうな気がして来ました。
考えて見たらシモン・ボッカネグラは元海賊の総督ですし。
ドレイク提督も、大英帝国の海賊でしたね。